あらゆる分野でモノがあふれて飽和状態、現在の日本は「モノ消費よりもコト消費」なんて言われています。
実際、自分が専門としているファッションでも、洋服を買うスタイルから借りる、もしくは減らす動きが加速しています。
特に洋服を減らすことには僕も賛成で、「多く持っている=おしゃれ」なんてことは全くないし、持ち過ぎるゆえにコーディネートが難しくなる側面もあるので賛成です。
中途半端なモノを買うなら、旅行やスキルを磨くことに投資した方がいいし、これも異論はありません。
それでは、モノを買うこと、このブログで言うなれば洋服を買うことは、コト消費よりも価値がないのか。
今日は考えてみたいと思います。
僕が感じるモノ消費が下火になったわけ
僕は、まだまだモノ消費が終わっていないと考えています。
なぜなら、コト消費と同様にモノにも心を豊かにする力があるからです。
今の時代はミニマリズムが流行っています。モノを持ちすぎな人が多い今、部屋の内装を極限までシンプルにしたり、洋服の数を絞る方も少なくありません。
で、今までモノに投資していた分を、コトにまわす。とても有意義だと感じます。
一方、世界的にはどうでしょうか。
例えば、北欧では家族や友人との時間を家で快適に過ごすため、とことん家具などインテリアにこだわるという傾向があると聞きます。
また、寒い冬の期間が長いために、家での暮らしを充実させるためということもあるようです。
北欧の住宅を見ると、決してモノが少ないという印象はなく、むしろインテリアが多いなという印象です。
【参考画像&資料】https://www.greeniche.jp/
掃除機かけるの大変やん、というくらいある印象です(笑)
でも、コレって果たしてモノを持ちすぎなんでしょうか。
今すぐ減らすべきなんでしょうか。
僕はそうは思いません。
なぜなら、「家族や友人との時間を快適に過ごすためには住環境が大切」という北欧の人の「明確なコトビジョン」があって、それを叶えるためにモノを増やしているからです。
コトを実現するためのモノ消費と言ったところでしょうか。
このようなモノの増やし方であれば、不健全で不必要どころか、むしろ増やさないわけにはいかないでしょう。
日本とは価値観や考え方も異なりますから、一緒にすべきなんてことは思っていません。
ただ、モノに溢れた今、「自分の人生にはコレとコレが必要だ」というビジョンのもと、モノやコトに投資できている人はどれだけいるでしょうか。
情報や誘惑が多すぎて、自分に何が必要か、どれがいらないのかわからないまま、「モノはもういらないよね」なんて風潮もあるような気がするのです。
何が必要かを見定める前にとにかく減らすというのも、あまり合理的はないようにも感じます。
僕が専門としているファッションも、人生を豊かにする力があると考えています。
でも、「洋服はお金かけなくていいよね、なんならレンタルで」というのはちょっぴり寂しいような気持ちになります。
ここは、誰かの責任ってわけではなくて、これから僕らファッションを生業をしている業界の人間が、洋服の素晴らしさを伝えていかなければと考えています。
自分がこれからどんなライフスタイルで暮らしたいのか。
何が好きでどんなことをして生きていきたいのか。
そんなビジョンを少しでも明確にすることで、自分にはモノが必要、コトが必要なんてことが見えてくるのだと思います。
モノ消費とコト消費。
優劣を比べるものではなくて、自分の暮らしにどちらがどれだけ必要か。
コレを書いた僕が、まずは見直してみたいと思います(笑)
お読みいただきありがとうございます。
また次のブログでお会いしましょう!